よく耳にする「眼瞼下垂」ってなに?

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たるみ治療ドクター
六本木境クリニック

境隆博

監修者情報

たるみ治療の専門の六本木境クリニック

美容外科「六本木境クリニック」院長。たるみ治療に真摯に取り組み、カウンセリングからアフターケアまで一貫して担当。また、美容医療業界の技術発展を目指し、学会やシンポジウムでの発表・講演でも活動中です。
【資格・所属学会】
日本形成外科学会専門医/日本アンチエイジング外科学会評議員/美容外科学会(JSAPS)正会員/美容外科学会(JSAS)正会員
【クリニックお問い合わせ電話番号】
03‐6441‐0691

眼瞼下垂について詳しく知ろう!

まぶたのたるみの原因のひとつに、眼瞼下垂症という病気があります。最近、たるみについてインターネットなどで調べてみると眼瞼下垂という言葉をよく見かけますし、この文字だけ独り歩きしがちとなっています。しかし、実際に眼瞼下垂の手術が必要なほどの眼瞼下垂症は、まぶたのたるみで悩んでいる人のわずか1%というほど少なく感じます。それだけのめずらしいものであるにもかかわらず、まるでその言葉がブームのようになって、診断に不慣れな医師でさえも、安易に眼瞼下垂という診断をしてしまうというケースもあると聞きました。

だから、まぶたがたるんできたら眼瞼下垂だと思い込まずに、まず医師に相談すると、皮膚のたるみなど別の理由でまぶたに変化が出てきてしまっていることがわかることも多いのです。

しかし、あなたのたるみが眼瞼下垂であるならば、目の見え方にも影響が出て、専門的な手術も必要となるため、どんな機序でどんな風にたるんでいくのか、どのような症状が出るのか、このページで解説していきますので学んでみてください。

そもそも眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、まぶたが瞳にかぶるように下垂してしまうことです。まぶたが開けにくくて、物が見えにくくなる症状があります。どこまで下がっているのが眼瞼下垂だと診断されるのか、難しいところなのですが、ひたいの前頭筋に力を入れてシワをよせるようにして見えにくさをカバーしていたり、上まぶたが瞳の上に覆いかぶさっているのが鏡を見れば分かったり、ひどい場合には自覚症状がはっきりわかります。

まぶたを開くための筋肉は2つあり、意識的にまぶたを開く筋肉が眼瞼挙筋(がんけんきょきん)、まばたきなど無意識にまぶたを開く筋肉がミュラー筋です。 眼瞼下垂のほとんどは、腱膜性眼瞼下垂といって、眼瞼挙筋腱膜(がんけんきょきんけんまく)のゆるみでおこります。加齢や刺激などの原因で、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の力を瞼板(けんばん)と言うまぶたを支えている軟骨に伝達する挙筋腱膜(きょきんけんまく)のゆるみが生じ、まぶたが開きにくくなります。そうすると、上まぶたを支えることが難しくなり、重みでまぶたが下がってきてしまいます。両目に起こる場合も片目だけの場合もあります。わずかに開きにくいといった軽度の症状から、視野が妨げられるほど生活に支障をきたす重度の症状のものまで人によって様々です。

眼瞼下垂の診断は難しくて、偽性の眼瞼下垂:偽性眼瞼下垂(ぎせいがんけんかすい)と呼ばれるものもあります。つまりニセモノのことです。瞼の皮膚のたるみがひどくて眼瞼下垂と誤診されることもあります。偽性眼瞼下垂のほとんどはこのまぶたの皮膚のたるみ・上眼瞼皮膚弛緩症です。ですが、顔面神経麻痺や眼瞼けいれんでたるみが出ている場合も間違われやすいのです。ですので、しっかり見極めができる医師に診断してもらうことが大切です。

眼瞼下垂のセルフチェック

まぶたのたるみが気になるなら、医師に診てもらうのが確実ですが、まずは、眼瞼下垂かどうかセルフチェックしてみましょう。自分の目もとが大きく見ることができる鏡を用意して行います。

  1. まっすぐ顔をむけて目を軽く閉じます。鏡と平行に顎を上げたり下げたりしないようにしましょう。
  2. 目を閉じたまま、眉の上に人差し指をおき、押さえます。ひたいには力を入れないようにしましょう。
  3. そのまま、目を開けて鏡をまっすぐ見ます。

チェックポイント
ひたいにも眉毛にも力を入れずに目を開けられるかチェックしましょう。両目や片目が開けにくいなどの違和感があれば、眼瞼下垂の可能性はあります。上まぶたを開くための挙筋腱膜(きょきんけんまく)がゆるんでくると、目を開くためにひたいなどの筋肉でフォローしなければならない状態に。開ける動作がスムーズであれば、眼瞼下垂とは違う、皮膚のたるみなどが原因となる場合が多いです。鏡を見て、瞳の上部がまぶたで隠れていないかもチェックすると良いでしょう。

そのまま放置するとどうなるの?

ひどい眼瞼下垂(眼瞼下垂症)をそのまま放置しておくと、まぶたが瞳の上部にかかった状態がずっと続くため、視野を確保しようとします。そうすると、ひたいにある前頭筋という筋肉でなんとかまぶたを支えようとして力を入れます。ひたいにクッキリとシワが入ってしまいます。さらに症状がひどくなっていくと、まぶたを支えられなくなってたるみがひどくなっていくのです。

まぶたが邪魔をする視野を確保しようと、顎を不自然に上げてみようとします。そうすると、首が曲がった状態となり、まるで老人のように背中がまるまった姿勢が定着してしまいます。こうなると、もう顔だけでなく、体の不調にも影響が出てきてしまうのです。首や肩、背中が常に緊張し、筋肉が痛くなり、凝りがひどくなります。目のまわりの筋肉もつらくなって、目の奥が痛み、頭痛がひどく、めまいを起こす方もいます。また、最近では、眼瞼下垂で発生するいろいろな症状に対する他の考え方もあります。まぶたのミュラー筋と言う筋肉の不具合が全身の筋緊張や自律神経に影響を与えると言われています。腱膜性眼瞼下垂になるとミュラー筋は過度に引き伸ばされることになります。眼瞼下垂ではまぶただけでなく、全身にわたるいろんな不調を招いてしまいます。

なぜ眼瞼下垂になるのか

眼瞼下垂になってしまう要因は色々とあるとされています。ひとつではなく、複数の条件がかさなって、上まぶたに異常が起こっているのかもしれません。下記にまとめてみましたのでご覧ください。

  • 加齢・老化現象によるもの
    眼瞼下垂で一番多い要因は、加齢とも言われています。たしかに年をとるとまぶたが開きにくくなります。加齢性眼瞼下垂で最も多いとされているのが、腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)です。腱膜性眼瞼下垂では眼瞼挙筋(がんけんきょきん)とまぶたのふちの瞼板(けんばん)をつないでいる挙筋腱膜(きょきんけんまく)がゆるむと、まぶたが下がっていきます。加齢の場合は、眼瞼下垂だけでなく、皮膚のたるみ(上眼瞼皮膚弛緩症)も併発しているケースが多いです。実は加齢による眼瞼下垂とされているもののほとんどは、まぶたをこすること・物理的刺激によるダメージの蓄積が原因だとわたくしは考えています。物理的刺激によるダメージの蓄積のことを加齢による老化現象そのもののようにとらえられる似たようなケースとしては歯牙の損傷・摩耗があります。厳密にいえば、物理的損傷・ダメージを来すと元に戻らないものは総じて老化現象と誤解されることになるのですが、諸々の事情まで踏まえた上で、そのようなもののことをあえて分かりやすく老化現象と呼んでいるのかもしれません。
  • あらゆる刺激によるもの
    花粉症やアトピー、コンタクトレンズを長く使用するなど、目の刺激となるものは多いです。違和感が出ていたり、かゆかったりして、知らず知らずのうちに目のまわりを擦っています。この摩擦が原因となっているケースが多いのです。1回では小さな刺激でも何度も何度も擦ってダメージが蓄積してしまいます。前述の加齢による老化現象に出てきた物理的刺激によるものと全く同じ機序だと言えますが、一番違うことは症状が出現する発症年齢です。花粉症・アトピー・コンタクトレンズなどの人は他の人よりもずっとずっとまぶたをこする頻度や程度がひどいので、眼瞼下垂になる年齢がずっと早いのです。このため機序は全く同じでも加齢による老化現象と言う見方をされないのです。そして、加齢・老化現象 による眼瞼下垂とそっくりなことに、皮膚のたるみも併発している場合がほとんどです。そのため、眼瞼下垂+皮膚弛緩と言った見方ができます。
  • 先天性のもの
    大人になってから気になってクリニックを受診した方の中には、もともと子供のときからたるみや眼瞼下垂の症状が出ていたという方もいるそうです。思い当たる場合は、クリニックに子供のころや若いころの写真をもっていくと相談しやすいかと思います。左右差があることが多いと言われています。
  • 後天性のもの
    ケガによって外傷性の眼瞼下垂になる場合があります。また、重力筋無力症やバセドウ病眼症、まぶたにできた腫瘍など、他の病気が要因となることもあります。羅列すると多くなりますが、どれもレアケースです。

眼瞼下垂の原因のほとんどはまぶたをこすること・物理的刺激によるダメージの蓄積とその延長線上にある老化現象ととらえられているものです。そして、まぶたをこすることや老化現象による眼瞼下垂では眼瞼下垂単独のものは少なく、ほとんどのケースで皮膚弛緩症と同時に存在している腱膜性眼瞼下垂+皮膚弛緩症の状態が多いと言えます。

眼瞼下垂(眼瞼下垂症)である場合は、内部の腱膜の問題ですので、自分のお手入れなどではほとんど効果がありません。そして、皮膚のたるみも表面が中心の問題ではありません。靭帯などの支持組織のゆるみが原因だと思われるので実は内部の問題なのです。悪化させないためにも、まぶたをこすらないことが肝要です。

眼瞼下垂の治療をするなら病院を選ぼう!

もし、近くの美容外科や形成外科などに行って、あなたの症状が眼瞼下垂の手術が必要な眼瞼下垂症であると言われたら。本当は必要がないのに売り上げなどのため眼瞼下垂の手術をすすめられるかもしれません。眼瞼下垂の手術治療実績が多いクリニックでも、本当は眼瞼下垂の手術が必要でない患者さんまで手術していて、実は手術が本当に必要なほどの眼瞼下垂は少ないということもあるのです。眼瞼下垂の手術が必要なほどの眼瞼下垂は眼瞼下垂と診断されているもの全体の約1%にしかあたらないものかもしれません。そして、もし眼瞼下垂の手術が必要である場合には、薄く繊細なまぶたにメスをいれる特殊な手術で難しい技術力が必要ですので、眼瞼下垂に関して専門的知識をもった医師の診察を受けることをおすすめします。

眼瞼下垂の主な手術法とは

眼瞼下垂の治療法は今のところ手術しかありません。クリームやマッサージ、照射系治療、ボトックスなどで改善する方法は見つかっていないのです。また、眼瞼下垂のほとんどを占める腱膜性眼瞼下垂は筋肉ではなくて非常に薄い腱膜の問題ですので、筋トレで改善することはありません。手術は埋没や切らない眼瞼下垂の手術など糸で留める方法と皮膚を切り取る手術があります。
若い人がキレイになりたいなどの意味合いでは糸で留める方法もある意味悪くはありません。しかし、まぶたの皮膚がたるんでいる状態で糸で留めても、まぶた全体のたるみを二重ラインの下に無理やり押し込むことになるので、自然でキレイな結果とは程遠いことが多いように思います。
また、埋没や切らない眼瞼下垂の手術などの糸で留める方法は後戻りがあり糸の効果が取れてしまうことがあるそうです。そして、内部構造やまぶたの裏側の結膜がひずむので、目に良い手術ではないと言っている眼科の先生が多いと言います。実際に埋没や切らない眼瞼下垂の手術などを受けたあと違和感が長く続く人もいるようです。

  • 眼瞼挙筋腱膜前転術…眼窩隔膜を切開して瞼板からはずれた挙筋腱膜を引き出し(前転し)、眼窩隔膜で補強して瞼板と固定する手術法です。
  • 眼瞼挙筋(腱膜)短縮術…まぶたの裏側の結膜を切開して眼瞼挙筋とその下のミュラー筋をまとめて短縮・固定する手術です。
  • 眉毛つり上げ術…筋膜などを用いてひたいの前頭筋とまぶたのふちの瞼板をつなぎ、ひたいに力を入れ眉毛を持ち上げることで目が開くようにする手術です。
  • 切らない眼瞼下垂の手術…結膜側からブラインド操作で挙筋腱膜を糸で縫い縮めるというまぶたを切らない手術・埋没法の変法です。

眼瞼下垂の手術ができる医師

六本木境クリニックでは、眼瞼下垂の診断と治療を行っています。また、眼瞼下垂の治療をするならば、気を付けるべきことは正しい診断と治療法・機能の回復だけではありません。まぶたは整容的な面も大切です。カウンセリングの時に手術症例の写真を見せてもらい、不自然な顔貌や嫌いな顔になっている人が1人でもいるクリニックで手術を受けないほうがいいと思います。手術の方法は全ての医者で細かいことが違っていて明らかなクセがあります。顔の目立つ上まぶたにメスをいれる大事な手術なので、信頼できる医師にお願いすべきです。

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