ひとくちに「まぶたのたるみ」といっても、そのお悩みは患者さんによって異なります。元々のまぶたの状態や今まで行ってきたケアなどによって、どのような原因でたるみが起こっているのか、注意すべき点は何かなどが変わってきます。ここではまぶたのお悩みを代表的な4つのタイプに区分。それぞれの症状について、たるみ治療を数多く手がける医師である境先生が解説をします。間違ったケアで症状を悪化させてしまう前に、正しい知識をみにつけてください。
たるみ治療ドクター
六本木境クリニック
境先生
まぶたがたるんだ状態には、皮膚のたるみである上眼瞼皮膚弛緩と筋膜のたるみである腱膜性眼瞼下垂などがあります。まぶたのたるみには、いろいろな状態や疾患が含まれていますが、上眼瞼皮膚弛緩と腱膜性眼瞼下垂だけで、ほとんどを占めていると言えます。
よく患者さんからも相談を受けるのが眼瞼下垂。ですが眼瞼下垂の手術が必要なほどの眼瞼下垂の患者さんは1%ほどという印象です。まぶたの皮膚のたるみである上眼瞼皮膚弛緩のほうが、圧倒的に多いように感じます。紹介する4つの症状に当てはまる場合は、まずは上眼瞼皮膚弛緩を疑ってみるといいですね。
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典型的なまぶたのたるみのお悩みです
加齢と共に多くの女性が悩む、まぶたのたるみ。その中でも特に多いのが、若いころと比較して二重の幅が狭くなった、だんだんと奥二重や一重になってしまったというものです。勘違いしないでいただきたいこととしては、この二重が狭くなるという症状は、最近よく耳にする眼瞼下垂とは別物です。
たるみの原因
基本的に、まぶたの皮膚のたるみが発生すると、まぶたの前側の皮膚が二重の上に乗っかってきます。これが二重の幅が狭くなっていく原因となるのです。皮膚の弱まりの関係で、特にまぶたの外側の皮膚が垂れ下がり、三角目のようになる方が多いです。また、ひたいの前頭筋の力が入ると外側が上がって吊り目気味になったり、まぶたがくぼむことが多いです。
主な対策方法
二重幅が狭くなったからといって、安易に埋没法や目頭切開などの手術を行うのはNGです。これらも結果として、まぶたのダメージにしかならないため、将来的なたるみを助長する結果となります。
もしも治療を行うのならば、まぶたの垂れ下がった部分を直接施術するのではなく、眉下切開などの上から引き上げる施術をおすすめします。
眼球周りの様々な脂肪・筋が関係する症状
脂肪が多く皮膚もしっかりとした、いわゆる「厚ぼったいまぶた」は、元からお悩みだったという方もいらっしゃいます。さらに加齢によって厚ぼったいまぶたの脂肪が垂れ下がってくる状態。特に目じりあたりに脂肪が乗ってしまい、目元の印象が大きく変わったということも発生します。余分な脂肪をどうしていくか、一緒に考えていきましょう。
たるみの原因
眼球の周りには皮下脂肪、眼球を包み込んでいる眼窩脂肪(がんかしぼう)、眼輪筋の裏側にある脂肪があります。まぶたが厚い方は、この脂肪が他の方より多い状態だと言えます。脂肪が多ければ当然重みもあり、それだけ支える力も必要になります。まぶたを支える靭帯や眼瞼挙筋に負担がかかりすぎた結果、だんだんと力が緩み、まぶたの脂肪を支えられなくなって、たるんでいくのです。
主な対策方法
まず考えるのは脂肪除去かもしれませんが、脂肪を除去しても、まぶたを持ち上げられるわけではありません。
また、脂肪が減ることで、くぼみやシワにつながる可能性もある、そもそもまぶたの内部、筋や人体などの組織の近くにダメージを与えるため、将来のたるみにもつながります。眉下切開など、まぶたをしっかり吊り上げ、固定できる方法を選びましょう。
シワだからといって乾燥だけが原因ではありません
まぶたのたるみと共に出てくる症状として、横に深く入ったまぶたのシワが挙げられます。カサカサとする、二重がどんどんとたるんでいくなど、老化の象徴とも言える状態に。また、シワの出方によっては、眼瞼下垂の可能性もゼロではありません。なぜまぶたにシワが発生するのか、その原因を解説します。
たるみの原因
まぶたは他の皮膚と比較しても汗腺が少ない部位。汗腺が少ないということは、皮膚を乾燥から守るための皮脂が少ないということ。
ですがそれは根本的な理由ではないと、わたくしは考えています。まぶたの筋や靭帯のゆるみが先にあり、支えられなくなった結果がシワになって表れるのです。これらはまぶたへの直接的なダメージが、だんだんと蓄積していった結果だと言えます。
主な対策方法
シワが目立つところまで症状が進んでいるとなると、保湿だけでは元の状態に戻すことはできないのです。
まぶたを支える靭帯などのゆるみがそもそもの原因となり、まぶた全体がたるむことにより、シワが目立ってくると考えるべきです。一度たるんでしまった皮膚は、自己ケアでは戻しきれないため、どうしても以前の状態に戻していきたいのならば眉下切開などで切り取る方法が推奨されます。
くっきりとしたくぼみは老け顔の決定打に
若いころにはなかったはずの、眉毛の下あたりのまぶたにある大きなくぼみ。まぶたのくぼみの原因は、単純にコラーゲンや脂肪がなくなったかではなくまぶたの筋力低下によるものが挙げられます。まぶたのくぼみの正体とは一体何か。わかりやすく解説をしていきます。
たるみの原因
眉毛の下~二重の上あたりにできるまぶたのくぼみは必要な部分に脂肪がなくなったことにより発生します。
ですがそれ以上に、眼窩脂肪や眼球裏の脂肪を支える眼輪筋の働きが衰えることで、本来あるべき位置に留めておけなくなることが、大きな要因なのです。眼球自体を支えている眼輪筋は、非常に重要な筋肉なのです。
主な対策方法
まぶたにくぼみができてしまうと、そこを埋めるようにヒアルロン酸注入を選ぶ方もいらっしゃいます。ですがヒアルロン酸でまぶたを理想の形へするのは非常に難しいもの。脂肪の位置が動いてしまっている状態だと、より難易度は高いです。眉下切開などで、しっかりと引き上げて元の位置に戻すことを検討した方が無難であると言えます。
昔はバッチリしていた
二重がどんどん狭く...