厚ぼったいまぶたが垂れさがってくる
脂肪が多く皮膚もしっかりとした、いわゆる「厚ぼったいまぶた」は、元からお悩みだったという方もいらっしゃいます。さらに加齢によって厚ぼったいまぶたの脂肪が垂れ下がってくる状態。特に目じりあたりに脂肪が乗ってしまい、目元の印象が大きく変わったということも発生します。余分な脂肪をどうしていくか、一緒に考えていきましょう。
脂肪が支えきれないことによる弊害?
たるみ治療ドクター
六本木境クリニック
境先生
上まぶたでは皮膚の直下には眼輪筋があります。そして、眼輪筋下にはROOF隔膜前脂肪)と呼ばれる比較的浅い脂肪があります。その奥に眼窩隔膜を隔てて
脂肪が多ければ当然重みもあり、それだけ支える力も必要になります。まぶたを支える靭帯や眼瞼挙筋に負担がかかりすぎた結果、だんだんと力が緩み、まぶたの脂肪を支えられなくなって、たるんでいくという意見もあるようです。しかし、わたくしは厚ぼったいまぶたの人のまぶたがたるむ原因も、うすいまぶたの人と全く同じような機序を考えています。
それはまぶたの厚ぼったい・うすいにかかわらず、まぶたをよくこする人ほど靭帯などの支持組織や眼瞼挙筋腱膜がゆるみ、まぶたが下がると言ったものです。厚ぼったいまぶたのほうが、 という側面もありそうにわたくしは思います。また、まぶたが厚い方ですと、埋没法などの治療がほとんど意味をなさないため、治療法が限られるという一面もあります。
靭帯などの支持組織や眼瞼挙筋腱膜のゆるみが大きな原因
原因その1
靭帯などの支持組織や眼瞼挙筋腱膜のゆるみ
まぶたの皮膚も眼輪筋も脂肪も、靭帯などの支持組織に支えられています。これらの支持組織にゆるみが発生すると、まぶたの皮膚も眼輪筋も脂肪も留めることができず、重力にまけて垂れ下がりたるみが発生します。特に目じり側はたるみやすい傾向にあります。
そもそも脂肪が多いと靭帯などの支持組織や眼瞼挙筋腱膜への負担も大きく、ゆるみが発生しやすいという意見もありますが、わたくしは同じようにたるんでも厚ぼったさがより強調されるのでそのように誤解されているように思います。
原因その2
上まぶたの眼輪筋が衰える?
眼輪筋はまぶたや眼球周りの脂肪を支えている筋肉です。主な役割は目を閉じることです。眼輪筋は靭帯などの支持組織がゆるむと機能が弱まります。そうなれば内側にとどまっていた脂肪が垂れ下がるため、大きなたるみの原因となるという意見があるようです。そのような側面があることは否定できませんが、靭帯などの支持組織がゆるんだだけであたかも眼輪筋が弱ったかのようなイメージに見えます。まぶたのたるみの主役はあくまで、靭帯などの支持組織や眼瞼挙筋腱膜のゆるみだと考えます。
原因その3
下まぶたの眼輪筋が衰える?
眼輪筋は眼球を包み込む筋肉です。下まぶたの眼輪筋が衰えると眼球の重みを支えられなくなり、眼窩脂肪の位置がさがります。そのために上まぶたがくぼみ、下まぶたには垂れ下がった眼窩脂肪が目立ってくるのです。上まぶたと同様に靭帯などの支持組織がゆるむと全く同じことが起きると考えられます。眼輪筋が弱くなったというよりは、まぶたをこすったりすることによる物理的刺激によるダメージによって、靭帯などの支持がゆるむことが一番大きな原因ではないかとわたくしは思います。
眼窩脂肪は、まぶたの眼窩隔膜と呼ばれる膜の奥にある脂肪です。とろりとした柔らかい脂肪で、眼球にとってクッションの役割を果たしています。
まぶたの脱脂法と呼ばれる手術では、この脂肪を除去するのが基本となります。眼窩脂肪を除去すれば、目を閉じているときの、まぶたの上の厚みを軽減できます。まぶたが厚い人が埋没法をするためには、この脂肪を除去する必要があるとされています。
ただし上まぶたの眼窩脂肪は加齢と共に減少していきます。眼窩脂肪が足りなくなれば、まぶたがくぼむ原因にもなるのです。安易に脱脂法を試すのは、あまりおすすめできません。
上まぶたには眼窩脂肪の他に、まぶたの皮膚と眼輪筋の下に脂肪があります。この脂肪のことを隔膜前脂肪、もしくはROOFと呼びます。上まぶたの組織は表面から皮膚組織があり、その下には眼輪筋、その下に隔膜前脂肪(ROOF)があります。
隔膜前脂肪(ROOF)は厚ぼったいまぶたの原因の1つであるため、眼窩脂肪と共に取り除く場合もあります。ですが眼窩脂肪と異なる固い脂肪で、他の組織に張り付いているため、非常に繊細な施術が必要、まぶたへのダメージも大きいです。脂肪を摂りすぎれば、それもたるみ(くぼみ)の原因になる上、元に戻せないため、施術は慎重に選ぶべきだと考えます。
たるみ治療ドクター
六本木境クリニック
境先生
「元々厚かったまぶたの重みに耐えられない…」
な患者さん、どんなお悩みを抱えている?
六本木境クリニックに来院された患者さんたちのお悩み
「まぶたすっきりマッサージ」は悪影響!
「ぽってり…というと聞こえはいいのですが、とにかく分厚くて野暮ったいまぶたがコンプレックスでした。奥二重になってしまっているまぶたも、ずっとアイテープで補強してきましたが、35歳くらいのころ、それだけではまぶたが持ち上がらないことに気付きました。まぶたがどんどんたるんで、より二重にかぶさっているようです。少しでも厚みがなくなるように、むくみとりのマッサージもしていたのですが…。」
眼窩脂肪だけでなく、隔膜前脂肪(ROOF)といった比較的浅い脂肪が元々厚めなタイプの患者さんです。また、皮膚も厚めのため、二重がうまく折りたたまれない傾向にあります。そのため、長期間にわたりアイテープを使用されており、余計にまぶたへダメージを与えています。さらにまぶたをスッキリさせたいという理由で、マッサージを行っており、よりたるみを悪化させる結果に。
脂肪が多めな奥二重の方のまぶたがたるんでくると、視界にまで影響を与えやすいです。脂肪を除去するのでは、全体的に下がってしまったまぶたは改善できません。脂肪を除去するのではなくて、眉下切開などでしっかりと引き上げる必要があります。
脂肪を除去してしまうと戻せません
元々厚いまぶたがコンプレックスだという方は少なくありません。さらにそういった方はまぶたのたるみも目立ちやすい傾向にあります。そうなるとまず考えるのは脂肪除去かもしれませんが、安易に選ぶのはNGです。まず脂肪を除去したところで、まぶたを持ち上げられるわけではありません。また、脂肪が減ることで、くぼみやシワにつながる可能性もある、そもそもまぶたの内部、筋や靭帯などの組織の近くにダメージを与えるため、将来のたるみやくぼみ・でこぼこなどにもつながります。脂肪が多めなまぶたの方には眉下切開など、まぶたをしっかり吊り上げ固定できる治療法がおすすめです。
※パニック障害など精神疾患や膠原病・腎不全など重度内科疾患の手術はお断りすることがあります。
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