まぶたのシワは老け顔の決定打になりえます
まぶたのたるみと共に出てくる症状として、横に深く入ったまぶたのシワが挙げられます。カサカサとする、二重がどんどんとたるんでいくなど、老化の象徴ともいえる状態に。また、シワの出方によっては、眼瞼下垂の可能性もゼロではありません。なぜまぶたにシワが発生するのか、その原因を解説します。
乾燥だけがシワの原因ではありません
たるみ治療ドクター
六本木境クリニック
境先生
皮膚のシワやたるみというと、乾燥が原因だと考える方が多いです。それが全て間違っているとは言いません。確かに
ですがそれは根本的な理由ではないと、わたくしは考えています。 になって表れるのです。これらはまぶたを手でこすることなど、直接的なダメージがだんだんと蓄積していった結果だと言えます。
また、元々まぶたの脂肪が少なめの方に、出やすい症状ですね。
乾燥や加齢よりも靭帯や挙筋腱膜に注目
原因その1
コラーゲンなどの減少?
お肌のハリや弾力を保つために欠かせない、コラーゲンやエラスチンなどの成分が減少すると、お肌はしぼんでいきます。まぶたの皮膚はごく薄いため、こういった成分の減少がおもてに表れやすい傾向にあると言われています。
ただし、コラーゲンはミクロなもののため、あくまで要素の1つであると考えた方が無難です。
原因その2
水分量の低下?
一般的なシワと同じく、乾燥によりまぶたも皮膚の内側の水分量が低下することによりシワが増えます。
特にまぶたの皮膚は他の部位と比較して汗腺が著しく少なく、乾燥からのバリア機能が弱い傾向にあります。また、通常のスキンケアではあまり保湿に力を入れない部分のため、乾燥のダメージが現れやすいと言われています。
原因その3
靭帯や挙筋腱膜のゆるみ
靭帯などの支持組織や、瞼板と言う軟骨に停止しまぶたをささえる根本となっている眼瞼挙筋とその腱膜。これらの組織は外部刺激によるダメージが蓄積されていき、だんだんと緩んでいく性質があります。まぶたの皮膚を支えている靭帯などがゆるむと、まぶたの皮膚がたるんだように見えます。このような状態を上眼瞼皮膚弛緩と言います。
まぶたにシワが増える理由として乾燥や加齢が関係していることは確かです。その予防として、スキンケアの際にまぶたをしっかり保湿するのは正解です。保湿力の高いアイクリームを使用するのも悪くはありませんが、注意すべきなのはその刺激です。
アイクリームを使用したマッサージは、すでにたるんでいるまぶたにとってダメージでしかありません。スキンケアも皮膚には効果的でも、内部組織にとっては刺激になりえると意識した方がいいでしょう。まぶたは絶対に力を入れて触らないように気を付けてください。
まぶたのたるみは、皮がかぶさって目じりが下がり三角目になっているのでよくわかります。おでこやまぶたのしわは表情筋である前頭筋や眼輪筋の影響による表情しわのような大きなしわと、付随する小じわがあります。小じわには保湿が効果的ですが、大きなしわに対してはボトックスか眉下切開や下眼瞼形成術のような手術しかないと言えます。
シワが気になるからといって安易にボトックスをすると、回数や量に比例して前頭筋や眼輪筋が弱くなり、上まぶたが下がる、目の下のクマやたるみがひどくなるため要注意です。
ヒアルロン酸注入は、まぶたのボリュームをヒアルロン酸で充填する方法です。ボリュームを増やすことで、シワやくぼみを減らすことができます。
ヒアルロン酸は体内にもある物質ですので吸収されるため安全に聞こえますが、全てが完全に吸収されると言うわけではありません。残ってほしい部分だけボリュームが残ることは通常はありません。そして、美容医療を受けたいというほど美意識が高い人の理想は高いので自分が完璧に気に入る状態以外のボリュームの残り方ですとあまり満足できない…というケースもあるようです。
その上、ヒアルロン酸は水分を保持する力が非常に強いため、小じわはものすごく減りますが、ヒアルロン酸が保持している水分によって注入したボリュームよりもずっと大きくふくらむことがあります。そのために、ひどくむくんで殴られたような目になることも多々あります。また、目周りのヒアルロン酸注入は逆行性動脈塞栓による失明や視力障害などの報告も多いので、わたくしはおすすめしていません。
シワ治療からワキガの治療まで、幅広く取り入れられているボトックス(ボツリヌストキシン)注射。たしかにシワなどには良い効果が得られていますが、たるみ治療で考えた際はまぶたが上がるわけではないと知っておいた方がいいでしょう。
ボトックス注射によりひたいの前頭筋のバランスを変えることによって、まぶたの外側を持ち上げることができます。ですが実は、まぶたの真ん中から内側は下がっているのです。そのために、まぶたのバランスがくずれて、にらんだような目になる、鼻に横じわが出たなどと言った話があります。
そして、ボトックスは基本的には効果の持続期間が短くて繰り返す必要があるような治療です。ボトックスを繰り返していると前頭筋が弱くなりますので、徐々にまぶたは下がってきます。まぶたが下がっても数か月待てば元に戻るというわけではありません。一旦弱くなった筋肉はなかなか復活できないため、ボトックスを続けたために生じた症状はどれだけ待っても改善してこない可能性すらあります。
たるみ治療ドクター
六本木境クリニック
境先生
「空気が抜けたみたいに皮膚がシワシワ…」
な患者さん、どんなお悩みを抱えている?
六本木境クリニックに来院された患者さんたちのお悩み
「三重」のまぶたの原因は筋力の低下?
「昔からやせ型の体系で、顔だちも貧相なイメージが気になっていました。もともと二重(奥二重気味)の目元でしたが、年齢とともにどんどんとたるんでいき三重になりました。50歳を過ぎた今では、まるでしぼんだ風船のように空気が抜けたような状態です。シワシワといっても、乾燥とはまた違った印象のため自己ケアもできず、先生に相談することにしました。」
元々まぶたは靭帯など支える組織が弱いので、まぶたをこするなどの物理的刺激によるダメージによって皮膚がたるみやすい部位です。また、眼瞼挙筋と言ってまぶたを持ち上げる筋肉は極うすい腱膜を介してまぶたのふちの瞼板という軟骨と連結しています。よって、腱膜部分もまぶたをこするような刺激で、軟骨との連結がゆるんだりします。眼瞼挙筋腱膜と瞼板との連結がゆるんだものが、腱膜性眼瞼下垂といって眼瞼下垂の大半を占めているものです。また、まぶたをこすることにより、上述の2つの変化は同時に進行します。よって、上眼瞼皮膚弛緩(まぶたの皮膚のたるみ)+腱膜性眼瞼下垂の状態のかたは数多くいらっしゃいます。若いころ二重で三重へと変わってきたかたは、皮膚弛緩+眼瞼下垂または高度の皮膚弛緩が疑われますので、一度、形成外科や美容外科に相談してみてください。
アイクリームは兎も角、マッサージがダメージに
「毎日コンタクトレンズを使って、メイクもばっちりして、まつエクも1ヶ月に1度は通っていたので、自分でもまぶたに負担をかけているのはわかっていました。だからこそ、某有名ブランドの高価なアイクリームをずっと使ってきました。でも気付けばまぶたにハリがなくなり、どんどんシワシワになっていきました。最近では二重の幅も狭くなっているようで…。アイクリームはまぶたのたるみに効果がないのでしょうか。」
コンタクトレンズや濃いメイク、まつエクはやはりまぶたの刺激となるものです。続けていればシワが増えるのも仕方がないもの。アイクリーム自体は、皮膚が薄く乾燥しやすいまぶたを守るために有効なアイテムだとは思います。ただし、まぶたのシワやたるみに乾燥が与える影響は、たかが知れているというのが本当のところ。わざわざ高価なものを使用しなくても、しっかりと保湿さえできれば問題ありません。それ以上に、アイクリームと併用してまぶたのマッサージをしている方が多いのが問題といえるでしょう。まぶたへのダメージをケアするために行っていることが、さらに刺激になってしまうのは、望むところではないはずです。
シワだからといって、まぶたは保湿では治りません
まぶたがシワになっていると、どうしてもその原因として乾燥を疑う方が多いです。ですが、まぶたの乾燥は原因のごく小さい部分でしかなく、シワが目立つところまで症状が進んでいるとなると、保湿だけでは元の状態に戻すことはできないのです。まぶたを支える靭帯などのゆるみがそもそもの原因となり、まぶた全体がたるむことにより、シワが目立ってくると考えるべきです。一度たるんでしまった皮膚は、自己ケアでは戻しきれないため、どうしても以前のような状態に戻していきたいのならば眉下切開などで切り取る方法が推奨されます。手遅れは一切ないので手術を受ける場合にはジックリ検討してから治療を受けましょう。
※パニック障害など精神疾患や膠原病・腎不全など重度内科疾患の手術はお断りすることがあります。
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